日米グリーンバンド協会
副団長 中山 唯
この演奏旅行の17日間で、私たちは色々な経験をし、また演奏旅行を通じて学んだことが、大きく分けて2つありました。1つ目は、演奏に対しての心です。特に、ディズニーランドでのパレードでは私たち明北音楽部の目指す「人の心に伝える演奏を」という最大のテーマの意味を理解すること共に、人に伝える事の楽しさを改めて実感することができました。
2つ目は、他人への思いやりです。他人に対して常に優しさを忘れない現地の方々に、とても感銘をうけました。しかし、それと同時に、日本人が他人に対してどれほど冷たいかということを痛感し、恥ずかしく思いました。
私たちは、人を楽しませることの喜びを知りました。誰にでも与えることのできる優しい心を知りました。この2週間で私たちは人間的に大きくなって帰ることができました。この事は、部員一同の胸に大きな誇りとして、一生残り続けるでしょう。そして、それを糧にこれからも前進し、続けてゆこうと思います。
最後に、今回の演奏旅行に携わって下さった方々や、出会った全ての方々に、部員一同心よりお礼申し上げます。
団長 土岐直矢
今、アメリカ演奏ツアーのビデオを見終わり、2週間という長い間に起こったいろいろな出来事を思い出しました。
生まれてから、まだ一度も日本という島国からでたことのない僕が最初に驚いたのは、周りのどこを見渡しても映画でしか見たことのない、眼や髪の色が違うアメリカ人がいっぱい居たこと、そして何よりも言葉が全然分からない事でした。しかし、アメリカの人はとても親切な人が多く、僕が困っているとすぐに助けてくれました。そして、ちょっとした事でも「excuse me」の言葉をかけるのです。これは日本人にも見習ってほしいと思いました。そして、迷惑を掛けてしまって謝った時には、笑顔で「It's OK!」と言ってくれます。この言葉を聞くととても安心できます。先日、大阪に出かけた時、電車の中で僕を押し除けて降りようとする女性がいました。その女性は僕に謝ることもせずに、そのままスタスタと行ってしまいとても残念に思いました。やっぱり「すみません」の一言をかけるマナー、「いいですよ」と笑顔で応える心の広さをアメリカ人に学んでほしいです。
それ以外にも、僕はこの演奏旅行でたくさんのことを学びました。アメリカの演奏旅行に行ってから3ヶ月経ちますが、さっきのビデオを見て、少しずつ忘れかけていたものが、一気によみがえり自分たちの演奏に自分が感動してしまいました。そして今回の一番の経験は、演奏する楽しさをお客さんに教えてもらった事です。日本人は、比較的大人しく、拍手も座ったまま手を一生懸命動かすだけですが、アメリカ人は違いました。本当にスゴイものを見た時は、身体全体で喜びを表現してくれます。それを見て僕たちのテンションもドンドン上がって、会場全体が一体となりものすごく盛り上がります。音楽が言葉の壁を越えて、演奏者とお客さんが「心と心」で会話をした瞬間とはこのことでしょうか。演奏者にとってこんなに嬉しい事はありませんでした。あの大きな拍手と歓声は一生忘れることは出来ないでしょう。
最後になりましたが、僕たち明石北高校音楽部にこんなにすばらしいチャンスを与えてくださったすべての人に感謝し、また3年後、今回行けなかった友達みんなも連れて世界一のパレードを行いたいと思っています。
世界へ響け「明北サウンド!」
団長 土岐直矢くんのお母さん
この度は、子供たちにアメリカで音楽ボランティアを行うという素晴らしい機会を与えて下さり本当にありがとうございました。
昨夏、このお話を聞いた息子が帰宅早々「明北、アメリカに演奏旅行に行くねんて!」と堰を切ったように話始めました。嬉しそうに話をする息子とは裏腹に、「お金かかるんやん!今、外国に行くのは安全なんやろか?」などと不安に思いながら話を聞いていました。しかし、説明会で、このプログラムがGPMとIAEFの共催で、しっかりとした「青年海外音楽ボランティア」の活動の一環であることがわかり、ぜひ行かせてあげたいと言う気持ちに変わりました。思えば、私も学生の時、親には”経験は宝”と教えられ、色んなことをさせてもらいました。「親というものは子どもが本当にやりたい事をサポートするのが親。親はいつでも子ども達の応援団」という主義でやってきましたので、今回の話もいい機会だと思い、思い切って行かせることにしました。
英語で異文化の家庭でのホームステイ。初めはどうなるかと不安で一杯だったと思います。しかし、帰国後に出来上がったビデオを見て、その中の子供たちは本当に生き生きとしていました。「自分たちの音楽を聴いて下さる方々に最高の演奏をしたい」という気持ちが伝わってきました。特にディズニーランドでのパレードは一生の記念になることでしょう。今回のボランティア活動を通じて”チームワークの大切さ”と”人への思いやり”を学んで来たのではないでしょうか?
アメリカでの活動は子どもたちを一回り大きく成長させてくれたような気がします。私たち親も子ども達のあのような輝いた顔を見ると「アメリカに行かせて本当によかった」と心から思います。
今後、このような機会があれば是非、妹にも行かせたいと思っています。最後になりましたが、今回、引率やスタッフ等で動いて下さった方々に感謝御礼申しあげます。